
【船釣りマガジン】ガッツリ派・中村イカ生のゼロテン・マルイカ教室【前編】|FISHING JAPAN(フィッシングジャパン)
テクニックの向上を目指す人のための沖釣りカレッジ「中村イカ生のゼロテン・マルイカ教室」。昨年同様に緊急事態宣言の影響で単独釣行となってしまったが、船上で中村さんに聞いたゼロテンテクニックをお届けしよう。
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テクニックの向上を目指す人のための沖釣りカレッジ「中村イカ生のゼロテン・マルイカ教室」。
昨年同様に緊急事態宣言の影響で単独釣行となってしまったが、船上で中村さんに聞いたゼロテンテクニックをお届けしよう。
ここまでの中村さんの話を聞いていれば、ゼロテンって意外に簡単だなぁと思うかもしれない。
ところがいざ、実際の船上ではゼロテンができない、アタリが分からない、という事象が多発する。
それはなぜか?
一つは前編で説明したように、ゼロテンになる竿先の曲がりをキープできていないから。
ゼロテンになる竿先の曲がり具合は理解していても、ウネリのある船上ではそれをキープするのが難しい。
大方の人は竿先を曲げすぎてしまうため、アタリが出にくくなってしまうのだ。
もう一つが、止めているつもりでも竿先がブレてしまい、アタリが分からなくなるため。
理想的な角度で竿先を曲げてピタリと止める、これがマルイカ・ゼロテンの最大のコツとなるのだが、そのためのポイントがたたいた直後の竿の構え。
バットエンドをしっかり肘に当て、リールをグリップしているほうの人差し指で竿をギュッと押すようにする。
竿の下部をしっかり固定することで竿先のブレを抑えられるというわけだ。
実際、船上で中村さんがこの点をアドバイスすると、かなりの人がうまく竿先を止められるようになるという。
最初のうちは毎回意識して構えを取り、自然と止めのポジションが作れるよう体に覚え込ませていきたい。
なお、この構えをする利点はほかにもあって、バットエンドを肘に当てることで脇が開き、竿先をやや横から見る形になる。
正面に見るよりも竿先の動きが分かりやすく、アタリが視認しやすい。
そして、合わせた瞬間のイカの乗り感も分かりやすくなる。
真っすぐ竿を立てるように合わせると、竿先が曲がり切ったところでイカの重みを感じることになるが、肘を開いたまま合わせると竿全体を持ち上げるような合わせになり、いち早く手にイカの重みが伝わってくるという。
竿の構え以外にゼロテンポジションを作るために注意したいのが、道糸の角度。
通常は水平よりやや下の位置で竿先を止めるが、道糸の流れ方によってはこの位置で止めると竿先が曲がりすぎることがある。
常に理想的な竿先の曲がりをキープするには、道糸と竿先の角度を90度よりやや広めに保つことが重要になってくる。
そのため道糸が払い出すときはやや高め、道糸が入り込むときはやや低めの位置で竿先を止めると、安定した竿先の曲がりをキープできるようになる。
以上がゼロテン釣法のおおよその基礎になり、あとは現場で練習を重ねるしかないのだが、ゼロテンを難しくしている要因の一つが自然条件にも左右されること。
穏やかなナギの海なら意識して練習もしやすいだろうが、今回の取材日のようにウネリのある状況下では上級者でもゼロテンをキープするのが難しくなる。
ということで、最後は中村さんにウネリへの対応について教えてもらった。
一つはウネリによる船のアップダウンに体でついていくこと。
船が持ち上がれば上体を起こし、下がれば前傾姿勢でなるべくゼロテンをキープする。
もう一つはウネリの周期を読んで、自分の止めやすいタイミングを見つけること。
例えばウネリが上がり始めた瞬間に止めれば、上がり切る手前まではなんとかゼロテンをキープできる。
要は体の動きと竿のコントロールで対応するのだが、ゼロテンをキープできるのはほんの一瞬だとしても、ゼロテンができていれば、その瞬間に確実にアタリは出るそうだ。
肘を開いて構えていると合わせたときの乗り感が分かりやすい
(上)通常は竿を水平もしくはやや下に構える(中)道糸が入り込むときは竿をやや下向きに構える(下)道糸が払い出すときは竿をやや上向きに構える
ウネリのある日は体を使って竿をコントロールし、できるだけゼロテンをキープできるようにする
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